特にヒルベルト空間での共役作用素は, 自己共役性という概念の前提として重要な 146 8.1.3 エルミート共役,エルミート演算子 行列(一次変換)A が与えられたとき,任意のベクトルz; w に対して, (z; Aw) = (Ayz; w) (8.1.2)が成り立つような行列A yが必ず存在する.A を行列A のエルミート共役(hermitian conjugate)という.あるいはAy のことをAの随伴(adjoint)行列ともいう.両辺の複素共 エルミート行列の異なる固有値の固有ベクトルは直 Helmenstine、Anne Marie、Ph.D. 行列のスペクトル分解 ここで扱う行列はエルミート(自己共役) 行列である. エルミート作用素(エルミートさようそ、英: Hermitian operator, Hermitian)とは、複素ヒルベルト空間上の線形作用素で、自分自身と形式共役になるようなもののことである。物理学ではエルミート演算子とも呼ばれる。エルミートという名称は、フランス人数学者シャルル・エルミートに因む。 式で書けば、行列 A = (a ij) に対してその随伴は ∗ = (¯) で与えられる。ここで a ij は A の (i,j)-成分で、1 ≤ i ≤ n および 1 ≤ j ≤ m である。 また上付きのバーはスカラーに対する複素共軛(すなわち a, b を実数として a + ib = a − ib )である。 あるいはこれを すでに述べたようにヒルベルト空間の閉部分空間とそ の直交補空間への分解に対応する作用素です. は自己共役か否か判定し,の固有値と固有ベク トルをすべて求める.aのエルミート共役 ay = (3 2 −1 6) (20) はaに等しくないので,aは自己共役ではな い. を未知変数として i−a= ( −3 1 −2 −6) (21) という行列を作り,この行列式が零になること エルミート作用素の代表的なものは射影作用素で P2 = P = P⁄ の関係式で特徴付けられます. エルミート行列(自己共役行列)の大切な性質(固有値が実数・固有ベクトルが直交・ユニタリー行列による対角化・固有ベクトルが正規直交基底・ユニタリー行列を生成など)や例をリスト形式でまとめました。証明も付けられているので、よろしければご覧ください。 数を考えるという違いがある 以後本書においては特別のことわりのない限り複素ヒルベルト 空間を考える が内積空間であるとき の部分空間 の任意の二つの元 を の元として定義された を の内積と考えることによっ て は内積空間になる このとき次の定理が成り立つ 定理 ヒルベルト空間 の部 自己共役作用素とエルミート作用素は区別されないことも多いので同じ意味で用 います. このときA の固有値は実数であり ‚1 • ‚2 • ::: • ‚n と並べ各固有値に対し Axi = ‚ixi (i = 1;2;:::;n) となるxi(6= 0) 2 Cn がとれる. 記法と名称.
5 自己共役作用素 5.1 閉作用素 (X,(,))をヒルベルト空間とする.複素ヒルベルト空間, 実ヒルベルト空間のどちらでもよい. Definition 1 M ⊂ X を線形部分空間とする. T: M → X が閉作用素とは次が成立する時に言う.すなわち,T が線形で,次をみたす. {xn} ⊂ M が lim n!1 kxn −xk = 0 (5.1)


「エルミート演算子」とは何かを噛み砕いて説明してみます。 「反エルミート演算子」についても最後に書いてあります。 (演算子はよく記号の上にハットをつけますがここではハットを省略しました) 「エルミート演算子」とは?の […] 7 共役作用素(ヒルベルト空間の場合) (2011 年1 月28 日更新) 作用素に対する" 共役作用素" は, 大雑把に言うと, 行列に対する転置行列に相当す る. 2つの用語共役および超 共役は不飽和有機化合物を表す。共役と超共役の主な違いは、共役はσ結合を横切るp軌道の重なりであるのに対して、超共役はσ結合とπネットワークとの相互作用であるということです。 参照: 1. “化学における共役定義” … エルミート性は、上で見たように「演算子を内積のなかで、右から左へそのまま移動できる」ことだが、自己共役性の定義はもう少しややこしい。 そして、素晴らしいことに、自己共役演算子については(この表現はかなり不正確だけど) を満たすとき、 演算子\(\hat{A}\)はエルミート演算子(自己随伴演算子) だ、と呼びます。 エルミート演算子の持つ性質. A = A⁄ 2 M n(C) とする.