3 第1章 連続な関数の作る線形空間 C[0;1] で定義域を[0;1] にもつ実連続関数の全体を表します.関数の空間 に必要な情報ことはC[0;1]に含まれているといってもよいでしょう.もちろ ん,定義域を[a;b] にしたC[a;b] でも本質的に変わりませんから,単純なモデルで考えましょう. 一般に,n次元ベクトル が直交とは ( , ) 0 1 = =∑ = = n i i i a b atb ab a,b a b 4 関数の直交性 と書ける. 直交なら していけば上式の総和は積分となり, サンプリング間隔を無限に細かく である. 2つのベクトルが直交しているなら, ベクトルで以下のように表す. 5.3 完全直交基底のエルミート行列の固有ベクト ルとしての作り方 † 完全直交基底は、適当なエルミート行列の固有ベクトルとして特 徴づけることができる。これは後で関数空間の直交基底を作るときに … 4.1 正規直交関数系にしたかったらどうする? 4.2 次回のテーマ:本当にどんな\(f(x)\)もsin,cosの級数展開で記述できるのか? サイン・コサインが直交性を満たしているかを確認する さて,ここまでは直交関数系というものを定義で見てきました.直交関数というものは,お互いに関数の内積を取ったとき(お互いの相関を取ったとき)に になるというものでした.「関数の内積」に慣れない方は, 内積空間 の記事中の「内積の概念を拡張」のセクションをご覧ください. となる。これが関数系{|n >}が正規直交完全系を為すことの数学的表現で、完備性と言う。 位置の固有関数は|x > と書かれる。位置はオブザーバブルなので、その固有関数の組は正 規直交完全系を為す。 ベクトルでも似たような話があるだろう。直交する 2 つのベクトルの内積を取ったものは 0 になるのであった。そこでこのような性質を持つ関数系をこの例えに倣って「直交系」と呼ぶ。また上の積分計算は「関数の内積」と呼ばれている。