新保良明『ローマ帝国愚帝列伝』(→amazon)を底本にして、五賢帝たちの実像に迫ってみましょう。 1808個も金メダルをとった暴君! 古代オリンピック史から抹殺された黒歴史 古代ローマ帝国のルキウス・ウェルスに関する伝記には、ルキウス帝を戦争に活かせる理由が記録されています。 そこまで期待されていなかったルキウス・ウェルスは戦場にて、優れた将軍達に指示して敵対する軍を撃破したことで、良い評価を得ています。 東京大学名誉教授 本村凌二/「人類史の中で最も至福の時代」と、エドワード・ギボンが『ローマ帝国衰亡史』で評した五賢帝時代も、マルクス・アウレリウスを最後にして、別の時代へと移っていく。東京大学名誉教授の本村凌二氏が五賢帝時代の終焉について語る。 帝政ローマの最盛期を現出したのがネルウァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウス、マルクス・アウレリウス・アントニヌスの五人の皇帝、通称「五賢帝」である、とされる。トラヤヌス帝の時代に最大版図を実現し、政治的にも経済的にも安定して、 古代中国における五帝と、古代ローマ帝国における五賢帝の両者は、皇位継承のあり方が直接的な親子関係を第一条件とする因習的な世襲制度ではなく、後継者が資質や能力に基づく選抜によってなされているという点で共通点を見いだすことができる。