本記事では、このmklが備えている機能を紹介するとともに、フリーのライブラリと比べてどの程度の性能差があるのか、検証を行っていく。 mklの構成と含まれる数値演算ライブラリ まずはmklについて簡単に紹介しておこう。 数値計算ライブラリを利用することでその部分のコードを自作しなくて良い。これにより結果の検証とバグとの戦いに費やされる時間と労力から解放される。 良質な数値計算ライブラリは計算結果の検証が十分に行われている。 ・フリー ・Windows用スタティックリンクライブラリ(.lib)ファイル (32bit/64bit) 開発環境 Windows7 64bit, Microsoft Visual Studio 2017 利用可能言語 C 及び C++言語 利用方法 ビルドの際に、一緒にリンク(リンカ入力)してください。 免責事項 数値計算ライブラリ専門メーカが提供する商用 ライブラリ、 更にlapack など、フリーで利用可能なものが存在し、 それぞれに利点や欠点があります。 1.1.1 代表的な数値計算ライブラリ例 フリーで利用できるもの o lapack/blas o scalapack o fftw の数値計算ライブラリBLAS(Basic Linear Algebra Subprograms)のFX10での性能の紹介を目 的に執筆いたします。 1.1 FX10で提供されている数値計算ライブラリの FX10では、富士通社製の数値計算ライブラリのほかに、フリーソフトウェアもいくつか提供 しております。 インテル謹製の数値演算ライブラリ「mkl」を使ってプログラムを高速化 各種スケジューリング処理やシミュレーション、統計処理、デジタル制御や信号処理などの分野では、多次元行列演算や高速フーリエ変換(fft)、線形計画法など、さまざまな数学的処理が必要とされる。